店主の日記/2018-03-11
ハーフサイズカメラの原点
オリンパス・ペンの初代機の修理を承りました。
1959年に6,800円の価格で発売されたそうです。その頃の大卒初任給が12,000円ぐらいだそうですからその半分の価格ということになります。まだまだ高価だと思いますが爆発的に売れ、コンパクトカメラの代表となりました。その写りもライカのサブ機として使える小型カメラを目標に開発されており、レンズ周りの設計的、原価的妥協なしのカメラです。
その後発売されたペンEEが誰でも使えることを目標としたことに比べると露出計なし、ピントは目測でやや敷居が高いかも知れません。フィルム巻き上げはノブがカメラ背面に飛び出し、ダイヤルのギザギザに親指の腹を擦り付けて巻き上げる構造で「リヤーワインディング」と呼ばれています。同様の方式は現在でも撮り切りカメラでおなじみですがこれがオリジナルです。
この個体は過去に分解されているようで、フィルムカウンターの固定ネジのカニ目穴が随分大きく広がってしまっていました。分解時の工具が適当でなかったものと考えられ、プロの仕事ではないようです。オーナーもこれが気になっているようで交換を希望されましたので中古良品と交換いたしました。
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