店主の日記/2015-08-11
レンズシャッターの一眼レフ
トプコンは以前にもご紹介したメーカーで現在はカメラ事業からは撤退してしまっています。このカメラはそのトプコンが1969年から発売したカメラです。
この一眼レフはシャッターが一般的な布幕横走りと呼ばれたり、金属ブレート縦走りと呼ばれているものとは違い、レンズシャッター方式の一眼レフカメラです。レンズシャッターの一眼レフというとハッセルブラッドを思い出すかもしれませんが、このカメラのシャッターはレンズ側ではなく、ボディ側についています。また、CdSによるTTL測光のEEカメラとなっており、絞りはオートが可能です。
動作は
1)シャッターが閉まり(通常のレンズシャッター機と反対で開いています)
2)ミラーが上がる
3)シャッターが開く(絞りも測光値に従い絞る)
4)シャッターが閉じる
5)ミラーが下がる
6)シャッターが開く
の順序だと思います。ミラーが下がった状態では遮光されていますからレンズ交換もできるわけで、またシャッターはミラーが上がった時のみ必要な時間開閉し、通常はスクリーンにレンズの光を通すため開いています。
測光方式も接眼レンズ横のCdSとミラーの真ん中に取り付けられたCdSとの切り替え式になっており、それぞれ平均測光、スポット測光となっています。ミラーの後ろにシャッターがないことによるスペースを生かしたレンズシャッター機ならではの機能だと思いました。
この個体はケースに入っており、傷や凹みのない綺麗な外観でしたが、ケース内貼りの毛羽や汚れがひどく、ファインダーもモルトカスと思われるゴミでいっぱいです。トップカバーを外してみると、どうやら修理歴があるようでした。とにかくモルトカスを綺麗にするのに時間がかかりました。露出計は電池にLR-44を使用することとし、この電圧で調整しましたが、先にも述べた通り、測光方式が2種類搭載されているため、両方を良いところまで調整しなければなりませんでした。
レンズも分解清掃いたしました。レンズシャッターを採用しているためか、後玉が小さく設計されています。残念なことにこの後玉に軽いバルサム剥がれが発見されましたが、撮影には大きな影響は出ないと判断いたしました。またお客様にもその旨お伝えいたしました。
これからも綺麗な写真を残してくれると思います。
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