店主の日記/2015-01-25
カメラ修理・トプコン35S
リサイクルショップで見つけられたというカメラがカメラ修理にやってきました。入手後落下させ、距離計の二重像が見えなくなったとのことです。
このカメラはかつてトプコンのブランドで生産されていた東京光学のもので、会社自体は測量器のトップブランドとして今もありますが、カメラ事業からは撤退しています。
トップカバーを外すと大きなファインダーは等倍で、プリズムを使ったコストのかかった作りです。ミラー部分が上下のベアリング(鋼球)で支持されていましたがそれが外れてしまったようです。しかし組み立て直して二重像を確認するとなんだか薄くて見にくいのです。ミラー部分をよく見ると蒸着剥がれでした。半分ぐらいがただの透明のガラスになってしまっています。ミラーも材料の大板から切り出して交換することにしました。ただ、元のミラーが接着剤でがっちり貼り付けられおり、溶剤の中に何日も漬けてやっと剥がすような状態です。また、新しいミラーを貼り付けてからも完全に乾ききらないと、二重像を合わせてもまたズレてきてしまいます。時間のかかる作業になりました。
このカメラの距離計の二重像はミラー前のレンズを回転(偏光)させることで合わせるようになっているとのことですが、ミラー裏側にも小ネジがありミラーの傾きでも合わせることができます。おおまかな合わせはこのネジで行い、微妙な合わせはレンズ側で行うほうが上手くいくようです。
巻き上げは2回で1枚です。またシャッターはセイコー製です。
コンパクトでいいですね、このカメラ。どんな写りか気になりました。
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