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店主の日記/2018-10-10

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Tag: カメラ修理 ミノルタ ハイマチック7S

EV値で合わせるカメラ

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ミノルタ・ハイマチック7Sの修理を承りました。今回もおじいさまが使っていらっしゃって遺品となっており、使ってみたいとのことで持ち込まれたのですが、革ケースが湿気を吸った結果、内側がボロボロになり、それがカメラ全体に張り付いて汚れ放題です。中にもフィルムが入ったままで、腐食しています。クリーニングの手間を考えるとちょっとためらいましたが、お引き受けしました。

ミノルタ・ハイマチック7Sは1966年に発売されたハイマチックの後継機種で、ハイマチック7との違いはアクセサリーシューにストロボの接点がついたぐらいです。ハイマチック7については以前ご紹介したことがありますので詳細を省きますが、シャッターはセイコーFLAを採用し、絞りオート、シャッターオートの2種類のオート機構があります。また、その両方をオートとすることもできます。つまりプログラムAEということです。先日のコパル・マジックシャッターと同じような考え方ですが、そこまで構造が複雑でもなくプログラムAEを達成しています。AEの範囲は(1/15,F1.7〜1/250,F22)となっているようです。

この個体の整備・修理は、やはりクリーニングに相当の時間をかけてしまいました。オーナーは20代の女性で使い方も含めて修理を承っています。浜松市内の方なので当店に引き取りに来ていただく際に使い方をご説明しました。ファインダー内のメーターの数字はEV表示です。オートの時はメーターの針が数字のあるところで撮ればそれで問題はないのですが、絞り、シャッタースピードのどちらかか、フルマニュアルの場合はメーターの数字を絞りリングの端にあるEV値の窓に出るように合わせます。

EV値と言うのはLV0で撮影してISO100のフィルムが適正露出になる明るさをEV0と定義しています。LV0はシャッタースピード1秒、絞り値F1.0の時の光の量を表し、光の量を示すLV値という単位の基準です。ISO100のフィルムを使う場合はEV値とLV値は同じですが、ISO400のフィルムを使うとシャッタースピードか絞りで2段変わりますので、値も2段変わります。光の量は1段絞ると半分になり、1段早いスピードだと半分になります。半分の半分は1/4ですから、ISO400のフィルムを使った場合はシャッタースピードと絞りを各一段づつか、シャッタースピード2段、あるいは絞り2段変えなければ適正露出にはなりません。ISO100でのEV12は、ISO400ではEV14となります。

あー、ややこしい。



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