古いフィルムカメラの修理専門の東京カメラサービス浜松店です。フィルムカメラ初心者にも丁寧な説明します! 静岡県浜松市

店主の日記/2016-08-03

Top / 店主の日記 / 2016-08-03

Tag: キヤノン キヤノネットQL17 カメラ修理

キャノネットQL17

カメラ修理・キャノネットQL17

キャノネットQL17のカメラ修理を承りました。前回このカメラのカメラ修理をしたのが2015.11ですから当店ではよくカメラ修理する機種とも言えます。

ご紹介は重複しますが、本機が使用している電池はMR-50(HP型)電池で、現在購入できる電池での使用を考えると電池ボックスに一工夫しなければなりません。この個体も前回と同じく初期タイプでトップカバーに「QUICK LOADING」の文字が入っています。後期型はその下のレザー部分に「QL」とかいた銘板が貼られているだけです。電池ボックスも後期型になるとMR-9電池に改良されたものもあります。どうやらMR-50はかなり早い時期に廃番になったようで、これは環境対応で廃番になった訳ではなく、需要が少なかったということだと思います。

さて、この「QL」はクイックローディングの略で、フィルム装填を簡単にするための機構です。フィルムの端を赤いラインにおいて裏蓋を閉めて巻き上げるとスプールにフィルムが巻きつく仕掛けになっています。この当時のキヤノンのFTやFTbにも採用されています。

またQL17の「17」はレンズの開放値F1.7の意味です。このキャノネットには他に「QL19」と「QL25」があります。レンズの差で価格も違っていたようですが、「QL25」について言えば、シャッタースピードも1/15まで、フラッシュ接点もXのみとしています。

この個体はシャッター切れる、絞りも粘りなしなのですが、電池ボックス蓋が開かない、レンズカビ、またメッキ部分の錆び、汚れという状態でお預かりしました。現品確認では更にファインダー二重像が見えない(多分ミラーが外れている)ようです。

電池ボックス蓋は定番の電池液漏れによるものです。MR-50が中に入ったままでしたが、液漏れで蓋のネジ部、接点や配線まで腐らせ、電池自身ももとの姿ではありませんでした。電池ボックスには改造を加えずスペーサー等を入れることで対処しました。これも前回の修理と同様です。お客様はこのカメラのために電池アダプタを購入されたようでカメラに同梱されていました。これも使用してオート時の露出調整をいたしました。

お客様へ返送後、ツイッターでご報告いただきました。当店のカメラ修理にご満足頂けたようです。



コメント


認証コード(3896)

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional