店主の日記/2015-07-20
カメラ修理・プリモフレックス
随分長い間お預かりしてしまったカメラです。
オーナーはこのカメラに先立ち、他のカメラ修理もご依頼くださったのですが、そちらがズルズルと遅れ、このカメラの納期も同時となってしまいました。辛抱強くお待ちいただいたオーナー様にもお詫びいたします。
さて、本機は東京光学(トプコン)製の2眼レフカメラです。本機は分類上2型と呼ばれるもののようですが、スタイルはローライコードの初期型のコピーのように見えます。オーナーはレンズ銘板に刻まれた「Simlar」(シムラー)の文字のある事がオークションでの購入の決め手になったようです。マニアックですね。シムラーはライカのLマウント用のトプコンレンズ等に使用されていたブランドですが、プリモフレックスにもこのブランド名が入ったものがあるとは知りませんでした。
トプコンこと東京光学は元々服部時計店精工舎(現・セイコー)の測量機部門を母体とし創立された会社で、主に陸軍の光学兵器を開発製造してたメーカーです。戦後はカメラも製造しましたが、撤退しています。現在も測量器等の光学製品で東証一部上場の会社です。
本機はシャッターユニットにコニカの「KONIRAPID-S」が使われています。会社はセイコー社が母体となっているのでセイコー社製のシャッターが使われるべきだと思いますが、このカメラの販売元となった大沢商会の仕様なのかもしれません。別ブランドではセイコー社のシャッターユニットを使っているものもあるとのことです。コニカ自身も後にシャッター製造をやめ、セイコー社のシャッターユニットを使用するようになりますから面白いですね。
この個体の一番の問題点はピント調整が固着して全く動かないということでした。レンズボード繰り出しのカム部分のグリスが経年で固着しているためで、緑色に変色し固まっていました。
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