店主の日記/2014-09-26
開放測光
ペンタックス機が続きますが、ペンタックスSPFがカメラ修理にやってきました。
SPFはペンタックスのベストセラー機SPの後継モデルで1973年に発売されました。特徴は何と言っても開放測光になったことです。それまでのSPは測光のスイッチを入れ、絞りを調整するのですが、同時にそれは絞ればファインダーが暗くなりました。SPFでは開放のままで絞りを調整してメーターを合わせられます。スイッチを入れるひと手間も無くなり、シャッターチャンスにスピーディに対応できます。
開放のままでも測光できるようになったということはレンズにも変更があり、絞りの連動爪が追加されて、開放測光が使えるのはこの爪がついたレンズということになります。元々M42のネジマウントはこうした仕様はなく、これはペンタックス独自の規格ですが、爪ありでもSPで使えるようですし、爪なしのSPのレンズのためにSPFにはSPと同じ測光のためのスイッチが付いています。
この個体はシャッタースピードと露出計の不良でカメラ修理にやってきました。このカメラの電池は製造中止ですから当然現在のアルカリ電池を入れると露出計は2段ぐらいズレるのですが今回はそれ以上にズレてしまっています。シャッタースピードも1/1000の位置で1/500ぐらいとなっており、分解清掃、注油・調整を行いました。
レンズはSP用の爪なしです。露出計のズレはレンズ側にも原因があり、ネジのゆるみで絞り羽根の位置がズレて適正な絞り位置となっていませんでした。レンズもバラして調整しました。
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