店主の日記/2017-07-25
フィッシュアイタクマー17mm,F4.0
珍しいレンズの清掃を承りました。一般的には魚眼レンズというとわかりがいいでしょうか?ここでも以降は魚眼レンズと呼ぶことにしますが、レンズの名前はFisheye-Takumar(フィッシュアイ・タクマー)です。魚が水面下から水面上を見上げた様な、水の屈折率の関係で水上の風景が円形に見えることからこう呼ばれています。
また、写りが全くの円形となるレンズを全周魚眼レンズもしくは円周魚眼レンズと呼び、両サイドが丸く変形する様なレンズを対角線魚眼レンズと呼んでいます。本レンズは対角線魚眼レンズです。
このペンタックス・フィシュアイタクマー 17mm,F4.0は、当時世界で一番明るい魚眼レンズで、0.2mまで寄れるピント合わせを備え、ミラーアップ不要で自動絞り、またフィルターが内蔵された画期的なレンズだったようです。内蔵フィルターは、UV、Y2、O2です。UVはご存知の通り紫外線吸収カット、他のY2は黄色、O2は橙色なのですが、このどちらもモノクロ用のコントラスト調整フィルターで紫外線や青色光をカットして、橙色や赤色、赤外線をより透過させ、寒色系を暗く、黒く、暖色系を明るく、白くしてコントラストを上げるフィルターです。このレンズがまだモノクロが主流だったころのレンズであることがわかります。
該当レンズはそのフィルター(特に黄色)がくもっている、また絞りリングが重いということで清掃を承りました。画像はとりあえずレンズの分解方法を習熟するため(このレンズの清掃の経験はありませんでした)に開けたところです。舞台照明のようなフィルターの切り替え構造になっていました。
通常はUVで撮ればいいと思いますが、カラーの時代にこそ、この黄色や橙色を使えば面白い写真が撮れるかもしれません。
コメント